GAPUXJP.INFO - COSMOMAT LMD-1000



卓上複合旋盤 西田製作所COSMOMAT LMD-1000


LMDってLathe Mill Drillってことかな?
相当前に挙げたおもちゃの旋盤からすると天と地位の差がある立派な機械です。
旋盤に加えて縦フライス盤の機能がついていて、場所を取らない工作機械です。
メーカーや専門家、本職のかたから見たら色々突込みどころあるかもしれませんが、思ったことを思っただけ書いておきます。どこまで使いこなせるようになるか。


LMD-1000

本体と架台(別作品)合わせて約120kg(推定)、手前にかなり重心が偏っています。

主軸

主軸についているチャックは3インチ型、軸端テーパーはモールステーパー3番から約17mmの貫通穴があいています。旋盤主軸は機械の大きさの割に高く、ベッド上の振り280mm(心高さ140mm)横送り台上の振り180mmなので、木やプラスチックの平板程度であれば余裕を入れて横送り台上で直径16cm、やり方しだいでは直径25cm位までは安全に削れる計算です。
旋盤に伝えられた動力は、平ベルトで機械てっぺんの縦フライス軸へ伝えられます。購入した機械にはベルトカバーがなかったので、危険防止のためにも作ってやるかメーカーに尋ねて(*)みたいと思います。覗きこんだら髪の毛巻き込みそうなので。
駆動軸切り替えのクラッチ等はないので、旋盤主軸とフライス主軸の一方のみの駆動は出来ません。独立駆動が必要なら別モーターを取り付ける改造が必要です。上位機種?(LMD-2000)(**)では切り替え可能のようです。

往復台と周辺

横送り台は幅140mm奥行き200mm、フライスの加工台もかねているので、機械の大きさの割に広いとおもいます。T溝は14mmなので市販の大概の冶具が使えるようです。旋盤主軸が結構高いので、背の高い刃物台がついてます。旋盤軸にカッター・アーバーを取り付け、心押しでアーバーのセンターを支えれば、横フライス盤としても使えそうです。刃物台は縦方向270mm、横方向100mm程度動かせます。自動送りや同調装置のようなものがないので、ネジ切りのような材料の回転と同調して加工することはできません。どうしてもネジな場合は後付で装置を作ることになります。上位機でも自動送りのみで、ねじ切りはオプションみたいです。
ハンドルについていた握りは長くて邪魔だし、力いっぱい回すものでもないので、フライス部分のやつ以外は外してしまいました。

ベッド

ベッドはチャネル(П)かボックス(□)断面のようですが、上面に開口がなく銀色の案内面の部分が若干高くなっている程度なので、切削中に切粉が積もる代わりに手入れが非常に簡単です。

心押し台

心押し台のセンター取り付け穴はモールステーパー2番です。購入時にはドリルチャックが付いていました。
この機械では心押し台の固定ネジの頭に(あと付けで)レバーがつけてあります。
心押し台の奥に写っているのは縦送りのハンドル、この機械のは朝顔形ですが棒状のバランスハンドルのバージョンも有るようです。

こんな感じ

旋盤の主軸台上からフライスのコラムが伸びています。平ベルトで旋盤主軸から動力が伝達されます。フライス部分は厚手の鋳物で見るからに頑丈そうです。背中に開口があって、長いノズル使ってフライス軸の送り歯車にグリスをやることが出来そうです。

フライス主軸

フライス主軸は上下(クイル)機能があるので太く作られています。軸は上下50mmくらいの範囲で可動します。スプライン軸が貫通しているプーリーは、鋳鉄?製のF字型をしたストッパーで上下の移動を拘束されています。回転中に軸を上下すればストッパーとプーリーがゴリゴリこすれていくので、搬入時点でストッパーが上下とも2mmくらい削れていました。
軸の送りハンドルは機械背面に上45度に向けて付いていて、メモリが若干読みにくいですが、ちょうど手が伸びる向きと位置になってます。上位機種では一回り大型のためかハンドルは横向きみたいです。
フライス主軸のテーパー穴はモールステーパーの3番です。横送り台がそのまま加工テーブルになるのですが、テーブル面から軸端まで結構高さが有ります。チャックをつけて軸を目一杯下げると丁度いいくらいの高さでした。幅のある大きな物を載せる場合には懐を稼ぐために旋盤のチャックをはずしてやる必要があります。

モーター

モーターは200W4極(1800-αrpm@60Hz)の分相始動型、旋盤部分は現行機種(**)のようですが、モーターが300Wになっているようなので、これもモーターを換えれば現行同等?
モーターは厚めの鉄板に固定して、前後に若干移動させる(写真左下に見える2つのボルト)ことができるだけなので、機械前側からのベルト掛け替えをする場合は、主軸台真後ろのモーターを押してベルトを張りながら固定する格好になるため、かなりやりにくいです。何かパーツがある様子もないので、頻繁に掛け替えする向きはネジでモーターを前後移動出来る、スライドベースでも使えば楽になりそうです(2008/08/17)

部品類

アタッチメント、左手前から13mmドリルチャック(軸はモールステーパー2番)、ミーリングチャック(軸はモールステーパー3番、後述のボルトで軸に固定)、そして右端はミーリングチャックへ刃物を取り付けるための20mmストレート型コレット(6mm)、2つのチャックの奥に写っている長いボルトはミーリングチャックを主軸へ固定するための引きねじとして使います。写真にはでてませんが、このページの作成時点ではこれ以外にモールステーパー2番のセンターとバイト数本と旋盤用チャックの替えがあります。

ついでに宅配のトラックからの荷おろし、分解出来ないので車上で梱包を解き、単管とレバーブロックで吊上げ装置を作っておろしました。架台に載せた満水の60cm水槽を水を抜かずに降ろすような感じ、1m強の高さの荷台から道具無しで安全におろすのには5人は必要です。フォークリフトをレンタル業者から借りられればそれが一番よかったのですが、ちょうどいい機械が近くのレンタルになかったのでこうなりました。ちょと機械の健康には悪かったかも。

着地後、すでにトラックが出て行った後です。柱が後ろに傾いていますが、これはわざと数度傾斜させているもので、組み方が下手なためではありません。しかし地面が傾斜していたために思ったより後ろに傾いてしまっていました。
腕の部分に荷重を掛けると柱のタワミで腕の先端が少し下がるわけですが、腕が水平より下がれば吊り荷が前方へ滑り、転倒や落下する危険が大きくなると考えられます。吊り荷が後ろにすべる分には転倒モーメントが減って都合がいいですが、柱を後に傾けすぎると、こんどは柱のねじりに対して非常に不安定になり、クランプが滑った場合に吊り荷が振り出されてしまいます。 ロープは市販の12mm径PVロープで破断荷重800kgと表示されていました。

部品類

構造はいたって単純、柱に2m長の高強度単管(700N/sqmm)を2本、足とステイを1mの単管4本で組んで、吊り荷を下げる腕の部分は50cmの足場ブラケットを使っています。前夜に部屋で柱を2m1本で組んでためし吊りをしたときは、特に重しがなくても大丈夫でしたが、念のためカウンターウェイトとして定盤にするつもりで買っていた御影石の板2枚(計約40kg)をぶら下げました。このおかげで安定がよりよくなりました。さらにレバーブロックの操作力は最大30kgf以上になるため、若干操作しにくくなりますがスタンドにかかる荷重を減らすために、必ずレバーを上げる方向で使いました。このあともう一度つり上げて台車に載せました。

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お気づきの点は掲示板メールでどうぞ。



* ** 少し前に本機の製作元と思しき(株)光畑製作所へメールで問い合わせたところ、LMD-1000については西田製作所の依頼で生産したが資料はすでに無く、現行のL-1000型旋盤は西田の原型に対して大きく改良が施されているため、外観が同じ別の機械であるとのことでした。すぐに補足を入れるべきでしたが非常に丁寧に回答くださった光畑様にこの場にて御礼申し上げます。(2009/01/27)